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RT「ROGUE」:監督インタビュー記事

Q:あなたはテレビ番組やミュージックビデオを手がけてきましたが、長編作品はこれが初めてですね。
  長編映画への移行についてはどう感じていますか。


A:セットで監督するという作業に関してはあまり違いはないね。僕はもともとミュージックビデオを手がけていたけれど、僕の作品のほとんどは物語を基点にしている。物語は基本的に連続性を持ち、つじつまを合わせるわけだから、長編映画はそれの延長線上にある。だから僕にとって、ビデオから映画への移行は自然なことなんだ。僕達のビデオ作品は抽象的な物ではないからね。それに、よいストーリーを語るのが好きなんだ。

Q:なんらかのアクション映画や監督があなたの映画製作に影響を与えましたか。

A:僕が尊敬する監督は、リドリー・スコットやマイケル・マンといった、自分の撮りたいように撮る監督だ。この2人の監督は、本当に力強い作品を発表している。そしてそのことが彼らのキャリアの基盤になっている。アクション映画に関しては、「コラテラル」や「ブラック・ホーク・ダウン」、「グラディエーター」がまさにそのような作品で、僕が引きつけられるのもそのような作品なんだ。ジェット・リーはいいよ。最高に危ない殺し屋だけどね。

Q:この作品のかっこいい場面や、スタントについて話していただけませんか。

A:かっこいい場面はいっぱいあるよ。コーリー・ユエンはアクション監督として積極的に関わってくれているし、びっくりするような場面も色々あるんだ。彼とそのチームの仕事ぶりをみると、本当に驚くよ。中には実にクリエイティブなところもあるんだ。ある瞬間に何かを作りだすんだけど、それがとても自然でかっこいいんだ。映像もそのようにかっこいいといいな。ワイヤーワークは一切使っていないよ。現実の人間達が現実的なことをやっている雰囲気を出したい。多少の映像技術は使うけどね。現実ばなれした部分もあるけど、そんなに大したものじゃない。この作品の中で起きていることは、現実の世界でも起きうることだ。作品中に起きることをだれかにやってほしいとは思わないけど、現実的な映画だよ。

Q:制作費は4000万ドルくらいだと言われていますが、そうすると特殊効果はあまり使われていませんね。素のアクションや、武術などの昔気質なスタイルの作品にしようとしていますか。

A:武術作品風ではないよ。作品中に武術が出てくることもあるかもしれないが、それはたまたま戦うスタイルだというだけだね。武術が前面に出た作品にするつもりはないよ。できるだけ骨太な作品にしたいと思っているんだ。予算がいくらだろうと関係がないよ。制作費が二倍になっても、何か手を加えるよりも、もっとリアルにしようとするだろうと思うよ。ウォーシャウスキー兄弟が「マトリックス」を作った時、彼らなりのジャンルを確立した。だから、誰かが新しいことを思いつくまで、そのジャンルには立ち入らない方がいい。本当に効果的でユニークな何かを見つけるまではね。僕は「ROGUE」にふさわしい立場を与えたいんだ。他の映画と比べるために作るわけじゃない。それ独自の世界をつくりたいんだ。

Q:「ROGUE」でジェット・リーは悪役を演じていますね。彼はいままでに2回しか悪役をやったことはありません。(ザ・ワンとリーサルウエポン4)彼の昔からのファンに対して、彼を悪役として描くことは難しいと思いますか。

A:観客にとっても新しい経験だと思うよ。ヒーローを演じる彼に慣れた観客をがっかりさせようとは思っていない。ジェット・リーの新しい姿を見てもらいたいんだ。ストーリーはとても複雑で、みんなが何か意を決して行っている。それが結果的にジェットのファンや観客になんらかのメッセージを送ってくれることを期待しているよ。

Q:各国の俳優が登場しますが、アメリカの観客か、それとも世界の観客をターゲットにしていますか。

A:監督としての僕の望みは、世界に向けて映画を作ることだ。それはアメリカでも受ける国際的な映画を作ることなんだ。アジアというと、日本人がたくさんこの映画には出るから、彼らをイヤな気持ちにさせる作品は作りたくない。同時に中国人も出ているから、彼らにも映画を見てもらって、「この映画の描き方は良くなかった。」とは言ってほしくないよ。この映画は人生の暗部と悪事を働く人間を描いている。日本人や中国人全体の話をしてるんじゃなくて、お互いに問題を抱えた二つのグループの話なんだ。全体的なアイディアは、英語圏で、中国語や日本語や、スペイン語が話される場で映画を撮ろう、ということなんだ。それが僕たちが住んでいる世界だからね。全ての世界を表しているわけじゃないよ。出てこない言語もあるからね。でも、そうやって国際的な雰囲気を加えることにしたんだ。僕はその点が気に入っているよ。

Q:コーリー・ユエンとの仕事はどうでしたか。あなた自身のアイディアをアクションシーンに取り入れましたか、それとも彼がすべてを仕切ったのですか。

A:撮りながらやっていったよ。ある場面を撮る時に、彼が何らかのアイディアを示して、僕がどう思うかを聞いたり、僕が「こんな場面にしたいんだ。ここでドラマチックに始めて、ここで終わりたい。」と言ったり。すると、彼が僕の希望と彼のアイディアを結んでいくんだ。

Q:コーリー・ユエン作品を観たことはありますか。

A:二つほど観たよ。今回の作品については、関わる僕たち全員にとって困難なことだと思っているよ。コーリー・ユエンの伝統的なスタイルを取り入れて、同時により現実的な場面に変えていくんだからね。観客は両方の世界を少しずつ観られるんだ。

Q:そうすると、ワイヤーワークはあまりないんですか。

A:全くないよ。ワイヤーは使ってないと思う。スタントは全て本物だよ。僕の知ってる限りではね。ワイヤーはないと思うよ。

Q:ワイヤーを使うのと使わないのではどちらが好きですか。

A:映画の目的によるね。「グリーンデスティニー」や「ラバーズ」のような映画の場合、ずっと観ててもワイヤーが使ってあることは気にならない。同時に、「コラテラル」や「ヒート」や「グラディエーター」の場合、同じようなスタイルの作品だけど、一見ワイヤーは使ってないようだが、実際は使った場面がある。みんな面白い作品だけど、僕の世界はもっとリアリズムに根ざしてるんだ。そんな映画を撮り続けたいんだ。特殊効果を使った映画は撮らないという意味じゃなくて、自分の作品に何らかのリアリズムを与えたいと思ってるんだ。効果を高めるために加工した場面もあるよ。でも、特殊撮影とは違う。実際の現場で、実際に俳優が屋根から屋根に飛び移ったりしてる。ワイヤーもないし、窓に飛び込むときも、役者を引くロープはないよ。安全に気を使ってやっているけど、できるだけリアルな場面にしようとしてる。

Q:この作品が3部作になるかもしれない、とおっしゃってましたが、ラストは未決のままですか、それとも自己完結してるんですか。

A:この作品で気に入っているのは、皆の期待通りに仕上がるだろうということなんだ。見て楽しめるし、見ているうちに何か他のものが生まれてくるかもしれない。はっきりとは言えないけど、ジェットやジェイソンのような力量を持った俳優の映画というのは、すべて続編といってもいい。ジェットの「キス・オブ・ザ・ドラゴン」しかり、「ザ・ワン」しかり。「ダニー・ザ・ドッグ」も続編があっていい。ジェイソンの「トランスポーター」は永遠に運び屋が出来そうだ。だから「ROGUE」もラストに同じような性質を持たせたいんだ。この作品の成功は、僕が良いと思うからではない。自分のために作ったのではないから。多くの人がこの作品に関わった。僕たちはこれで生計をたてている。人々を楽しませたいんだ。毎日の生活から抜け出して、映画館に来て楽しんでほしい。家に帰ってきてDVDを見て、「これが見たかったんだ」と言い、その日の仕事から解放されてほしい。そう思うんだ。それがうまくいけば、また撮り続けることができるだろう。そういう考えだよ。

Q:ジェットやジェイソンという、偉大なアクションスターとの仕事で、萎縮することはありませんでしたか。

A:僕の履歴書をもう一度ちゃんと見てほしいなあ。(笑)トップスターと僕は仕事をしてきたんだよ。外には追っかけがたくさんいて、撮影用トレーラーから出られないようなね。違う世界だよ。ジェットやジェイソンと仕事をするのが好きだ。静かな世界なんだ。今回、色々と問題もあったけど、ミュージシャンと仕事をするときは、それが一日中、毎日、何があっても続くんだ。彼らは違う生き物だよ。映画スターは時々近寄りがたいこともあるけど、ミュージシャンは、とても自由だ。萎縮することはないよ。一日の終わりには、みんな同じように結果を得ようとする。ジェットとジェイソンの仕事ぶりを尊敬しているよ。もし僕がテニスプレーヤーで、アガシと試合をするとしたら、僕は上達すると思う。彼らと仕事をするチャンスを得て、もっと高い期待値を持って仕事をするようになる。映画自体が大きい作品だからね。そう今考えてるんだ。




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